眼の構造
目の働きを視構造といい、この視構造には、視力、視野、色覚、光覚、屈折、調節、両眼視、眼球運動などがあります。
これらの構造が乱れると、視力が低下したり、色の見え方がおかしくなったりするなどの見え方に関係した苦情が出てきます。
また見え方に関係無くとも、充血する、目やにが出る、コロコロするなどの不快な苦情が出てくることもあります。
このような苦情(眼の病)は、目の働きを司る眼球の各部位の異常によって引き起こされます。
眼の病
◇まぶたの病気: 麦粒腫(ものもらい) など
◇涙器の病気: 涙液分泌機能低下 など
◇結膜の病気: 結膜炎(細菌性、アレルギー性等) など
◇角膜・強膜の病気: 角膜ヘルペス など
◇ぶどう膜の病気: ぶどう膜炎 など
◇水晶体・硝子体の病気: 白内障 など
◇眼圧の異常: 緑内障
◇視神経の病気: 視神経炎 など
◇網膜の病気: 糖尿病性網膜症 など
◇視機能の異常: 近視 など
現代医学では こう考えます
現代医学では眼の病に対し、症状に応じて点眼薬や内服薬、または手術を行う処置をとります。
こで注意したいのは、目の充血を取る血管収縮剤の入った目薬を安易に長期間連用しますと、血管収縮の反動でかえって目の充血を悪化させたり、角膜に傷をつける原因にもなります。
また、コリン作動薬の副作用に結膜炎や眼病、副腎皮質ホルモン剤の副作用に緑内障があり長期使用には注意が必要です。
漢方では こう考えます
昔から「目は心の窓、からだの窓」といわれ、漢方でも「眼は五臓六腑の精気の集まるところ」と言われるくらい、内蔵といった臓器の働きの乱れが眼に出てきます。こんなことから、眼の病気の改善に内服の漢方薬を昔から用いてきました。
臓器の乱れを整え、眼の病気の改善に利用され漢方薬について、いくつかの薬方を紹介します。
◇ものもらい:赤色に充血 ⇒ 葛根湯・防風通聖散・十味敗毒湯・黄連解毒・・・など
紫色に充血 ⇒ 桂枝茯苓丸・桃核承気湯 ・・・など
◇ただれ目:赤色に充血 ⇒葛根湯・十味敗毒湯 ・・・など
◇涙目:赤色に充血 ⇒ 小青竜湯・越婢加朮湯 ・・・など
紫色に充血 ⇒ 当帰芍薬散 ・・・など
注意! 眼の病に使用されるこれらの漢方薬は、体力の充実した胃腸の強い人向きの漢方が多いです。
しかし、昔の人の比べると現代人は比較的体力がなく、胃腸の弱い人も多く、こんな人には不向きのことが多いものです。
現代人は眼を酷使させることが多くなり、その上不規則な生活や偏った食事などで内蔵に負担をかけ身体を疲れさせて、一層眼に悪い影響を与えています。
そして、眼は「五臓六腑の精気の集まるところ」と漢方で言われるように、眼の苦情を改善するには内臓、特に胃腸の働きを良くすることが必要です。
おすすめする眼の病の養生
病気を治すのは薬だけでなく、病人自身の病気を治そうとする姿勢が大切です。
そして、この姿勢は病気を治そうとする気持ちと養生することを意味します。
◇胃腸に負担をかけないように!
眼は「五臓六腑の精気の集まるところ」と言われるように、内臓の働きのバランスの乱れで眼の病を起こすことが多いものです。
特に、胃腸に負担をかけると眼の病の根本改善にはつながりません。
◇眼を休めること!
眼を酷使しつづければ、眼の病の改善はおぼつきません。
眼が疲れたなと思ったら、眼をゆっくり休めることです。
そして、眼の疲れを取るマッサージ(こめかみの所を小さな円を描くようにマッサージをするとか、眉毛の所を指を移動させながら、マッサージをする等)をする、、眼の周りの血行を良くするために、温かいタオルを眼に当てて、疲れを取るのも良い方法です。のも良い方法です。
テレビやパソコンの画面を見るときは、上から見下ろすようにする。
部屋の空気は、湿度を約60%に保つ。
◇身体も休めること!
しっかりと休養をとり、神経を疲れさせないようにすることが、内臓の働きを良くし、眼の病の改善の手助けになります。
夜更かしをしないで早く寝る。飲酒、喫煙はしない。リラックスしてストレスをためない。
目薬に頼りすぎていませんか?
目薬を使うと…
・一時的に目がスッキリ、症状が軽くなった…と思えます。
しかし…
・目薬に頼りすぎると病気の進行を見逃すことがあります。
・目の充血に使用する目薬には、血管を収縮させる成分を含んでいることが多いので、連用するとかえって目がかえって赤くなったり、目の痛みが出てくることがあります。
☆放っておくと内臓の乱れを戻しにくくなり、眼の病気はさらに悪化します。
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